ラ・カンデリージャ精製所

コスタリカの中でも良質なコーヒーの産地として知られるタラス地区。標高1,500mのこの地域に、周辺9つの農園で収穫されたコーヒーをまとめて精製するマイクロミル「LA-CANDELILLA（ラ・カンデリージャ）」があります。

2000年に設立されたカンデリージャは、コスタリカのスペシャルティコーヒーの先駆け的な存在として知られています。スペシャルティコーヒーの取り組みによって得られた収益を少しずつ積み重ね、2015年にはペニャゴス社製の新しいウェットミル（精製機）を導入。これにより、さらに高品質なコーヒーとしてお客様へ届けられるようになりました。

新しいミルを導入したことで、コーヒーチェリーの果肉を取り除く工程の品質がより均一になり、繊細な風味づくりや狙った味わいを安定して実現できるようになったといいます。

また、ピッキングしたチェリーの精度を測り、その精度が高いほど収穫者の賃金が上がる仕組みづくりも実施。この取り組みにより、チェリーの収穫レベルが向上し、結果としてコーヒーそのもののクオリティも一段と高まっています。

風を味方につけたパティオ

収穫されたコーヒーチェリーは、当日の夕方16時30分〜17時30分ごろにミルへ運び込まれ、まずサイフォン式の水槽に入れられて選別されます。その後、専用の機械（パルパー）で果肉が取り除かれます。

ハニーコーヒーは、果肉を取り除いたあとに残る「ミューシレージ（コーヒー豆を包む、甘みのある粘液質）」をあえて残したまま乾燥工程に進みます。この製法により、ミューシレージの甘さが豆へ伝わり、通常のウォッシュドコーヒーでは出にくい、はちみつのような香りやコクのある味わいが生まれます。またこの工程では、果肉除去の際に熟れすぎた豆や未熟な豆も同時に取り除けるというメリットもあります。

ミューシレージを残したままの乾燥は、放置すると粘りが固まって豆同士がくっついてしまうため、こまめに攪拌が必要になります。そのため、手間と丁寧な管理が欠かせません。

カンデリージャでは、小規模ミルならではの利点を活かし、乾燥工程をすべて太陽の自然な熱でじっくりと行います。最初の2日間は風通しの良いアフリカンベッド（高床式の乾燥棚）で乾かし、その後7日間はコンクリートパティオへ移して、合計9日間かけて100%天日乾燥させます。

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